2026.03.25
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映画『未来』完成披露上映会 オフィシャルレポート

作家・湊かなえ史上、もっとも過酷で、もっとも切ないミステリー。映画『未来』(5月8日公開)がついに完成!

3月18日に完成披露イベントが実施され、主演の黒島結菜、共演の山﨑七海坂東龍汰近藤華松坂桃李北川景子、そして瀬々敬久監督、さらに原作者・湊かなえが参加した。

満員御礼で実施されたこの日、主人公・篠宮真唯子を演じた黒島は「撮影からここまで長かった」と感慨深げに「本作は企画の段階から、大切に作り上げていかなければいけないと思っていました。今日こうして届ける事が出来て、一人でも多くの方に観ていただきたいので口コミを宜しくお願いいたします」と期待した。

湊の集大成と評された傑作ミステリーを、瀬々監督が痛みと希望を掬い上げながら映画化。本作を通して黒島は「辛い思いをして生きている人に手を差し伸べてあげられる人間になりたいと思いました。どこかにそういった思いを抱えている子どもや家族がいるのではないかと想像して、挨拶からでもいいので声をかけられる人間になりたいと思いました」と多くのことを感じたようだった。

真唯子の教え子・佐伯章子役の山﨑は、黒島とのラストシーンが印象的だという。「抱きしめられた時に黒島さんの体温を感じました。章子が感じるものが出ればいいなと思って演じてみた時に、監督から褒めていただきました」と嬉しそうにコメント。当該シーンに黒島は「扉から入ってきた章子ちゃんの姿を見た時に、守りたい助けたいという気持ちが自然と湧き上がった瞬間がありました。お芝居をしていてそのような感情が溢れて来る事はなかなか味わえないので、本当に良いシーンになったと思いました」と実感を込めて振り返った。

真唯子の恋人・原田勇輝役の坂東は、自転車に乗ってのユーモラスな初登場シーンを松坂から「自転車、良かったです!」などと褒められると「登場シーンは瀬々さんから凄く怒られて。30回くらいはやったかな?」とオーバーに振り返ると、瀬々監督からは「ウソつけ!」と鋭い突っ込みが。場を盛り上げた坂東は「すみません…3回です」と打ち明けて笑いを誘っていた。

ミステリアスな少女・森本真珠役の近藤は「脚本を読み終わった時はズンと心に来るものがあって…。将来、真珠が大きくなって子どもを守る立場になると考えた時に、真珠の強さを意識して演じようと思いました」と回想。

章子の母・佐伯文乃役の北川はオファーをもらう前から読者として湊による原作小説を読んでいたという。「原作には“ビー玉のような目をした”という表現があって、演じる際にも文乃がオフの時はビー玉のような目に出来たら良いなと思いながら演じました」と役作りについて述べた。

章子の父・佐伯良太役の松坂は北川との共演シーンを振り返り「北川さんから“ここから先、きついシーンがまだまだあるので家族写真を撮りませんか?”と言われたのが印象的でした。僕は“この後、頑張ってください!”と思いながらその日を終えました」と証言すると、北川は「唯一幸せな日がその一日だけだったから…」と意味深に撮影を回想していた。

瀬々監督は映画化にあたり「湊さんは人とコミュニケーションを取る時の可能性と不可能性をデリケートに描いている。そこを一番重要視したかった。感情の裏表が全てのキャラクターの関係性に潜んでいるので、その機微が見えてくると面白い映画になると思った」と述べた。

一方、湊は「瀬々監督が、いつお声をかけてくれるのか待っていた。瀬々監督は、観ている人に『物語の世界が自分と地続きの場所で起こっているかもしれない』と思わせてくれる作品ばかりを撮られているから」と念願叶った様子で、完成作を観た際には「役者の皆さんそれぞれの演技を観た時に、原作の向こう側の世界を見せてもらえた気がして感動しました」などと感涙を報告していた。

また、この日の登壇が叶わなかった細田佳央太からは「この映画を観た時に、陰からの叫びを確かに受け取りました。それは物語の中で誰かを守るということを超えて映画そのものが誰かを守る存在になっていたこと、そこに映画が作られる意味を感じました。約7年ぶりに瀬々監督とご一緒できた作品が『未来』だったこと、役者として幸せでした」という内容の手紙が届き、松坂が代読。手紙を読み終えた松坂は「細田さんの役に向かう真摯な姿勢や作品に対する愛が文章から伝わってくる」と感動していた。

最後に瀬々監督は「とあるシーンで二人の少女が挑むような眼でこちらを見ています。撮影中も完成作を観ても、まるで刃を突きつけられているかのような思いがしました。僕ら大人が助けてあげられるのか、守ってあげることが出来るのか?本作はエンターテインメント作品ではありますが、その突きつけられた刃を共有して観ていただけたら」と呼び掛けた。

主演の黒島は「作品を観ていただいて、どのように受け取ってもらえるのかドキドキしていましたが、観客の皆さんの反応や空気がとても温かいと感じました。この作品が、今後もそのように受け取ってもらえるのではないかと思ってホッとしました。みんなが少しでも優しい気持ちになって誰かに目を向ける――この作品はきっとそれが出来るのではないかと今日感じました。一人でも多くの方に観ていただいて、良い世の中になるよう一つ一つみんなで頑張っていきましょう!」と期待を込めていた。

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